スクワット動作でのハムストリングスへの効果を過大評価しすぎている

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今回取り上げる内容はスクワットで『高重量を扱うためのベストだと思われるスクワット』についてお話ししていきます。
重量を扱える方法なので、効果的なトレーニングとはまた違う観点からの内容なのでそこの認識には注意が必要です。

スクワット動作の働き
スクワットは膝関節と股関節を伸展させる必要があります。
膝関節伸展で貢献するのは、大腿四頭筋です。
股関節伸展で貢献するの主な筋肉は、ハムストリングと大臀筋です。
2つの股関節伸展筋群のうち、大殿筋は単関節筋、ハムストリングは二関節筋です(大腿二頭筋短頭は除く)。
単関節筋の大殿筋が発揮した力は股関節のみに働きますが、二関節筋のハムストリングが発揮した力は股関節伸展だけでなく膝関節屈曲にも働きます。
研究内容
したがって、ハムストリングの力発揮が増えれば増えるほど、それによって生じる膝関節屈曲モーメントに対抗する膝関節伸展モーメントを発生させるために、大腿四頭筋の負担が増えることになります。
分かりやすく言えば、ハムストリングの貢献度(股関節伸展には強い)けど膝関節伸展では強さはあまり期待できないので大腿四頭筋が頑張って働かないといけないよね。と言うことです。
そこで今回の研究は、
『股関節だけに貢献する大臀筋を優位に使ってハムストリングは最低限の利用に抑える方が効率よく重量を持てるのではないか?』という研究内容です。
視点を変えると、『股関節伸展に大臀筋を優位に働かせた場合の大腿四頭筋への影響はどのような変化を及ぼすのか?』も観察することが出来ます。
参考文献:スクワット運動中の大腿四頭筋の努力は股関節伸展筋の戦略依存https://www.researchgate.net/publication/275278734_Quadriceps_effort_during_squat_exercise_depends_on_hip_extensor_muscle_strategy
方法
50〜90% 1RM(格10%毎)でのスクワット中の股関節・膝関節・足関節モーメントを逆動力学解析によって求めました。
それとは別に、各関節周りの最大アイソメトリック筋力(MVC)を測定し、スクワット中の各関節モーメントをMVCの相対値(%)で表しました(=RME; relative muscular effort)。
そのように実測されたデータを元に計算されたRMEとは別に、コンピューター上で構築された筋骨格モデルを用いて、
2つの条件における大腿四頭筋のRMEも計算
モデル1:大殿筋とハムストリングを同じだけ発火(activate)
モデル2:大臀筋の働きを優位状態で股関節伸展モーメントアームを作り、大臀筋で補えない分をハムストリングで補助
結果

「Knee Extensor」と示されている黒線は、実際の計測値から逆動力学解析によって計算された「膝関節伸展RME」です。
RME; relative muscular effort→相対的な筋肉の努力
モデル1の条件下で計算した大腿四頭筋のRMEは、90% 1RMで深くしゃがんだ時に、100%を上回る。
つまり、モデル1の条件『大殿筋とハムストリングを同じだけ発火』では、
モデル2『大臀筋の働きを優位状態で股関節伸展モーメントアームを作り、大臀筋で補えない分をハムストリングで補助』では、
膝関節伸展RMEの値について、(90% 1RMでの大腿四頭筋の貢献度90°〜104°・60%)は低過ぎないか?と思われますが
正確には、『大腿四頭筋の貢献度ーハムストリングの貢献度の差』の値になっています。(モーメントの差)
実際はもっと大腿四頭筋の純粋な貢献度は高いでしょう。
この研究から分かること
- 重量を扱うスクワットにおいてのファクターは大臀筋と大腿四頭筋が重要である。
- スクワット股関節伸展における貢献度の優位性は単関節である『大臀筋』の発火がカギになる。
- 二関節筋であるハムストリングの優位なモーメントアームは膝関節に不利な影響をもたらし大腿四頭筋への負担を助長させる
- 高重量スクワットでは大臀筋優位で補えない分をハムストリングで補強する形が良い。
- 大臀筋の筋力不足は、ハムストリングの優位性を高め肉離れや攣るなどの傷害リスクが伴う。
やはりアスリートにとってケツ(臀筋群)を鍛えることはマストであり、ハムストリングを鍛える種目の重要性やトレーニングプログラムの見直しにも繋がる内容でした。
やっぱケツですね。
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今回取り上げる内容はスクワットで『高重量を扱うためのベストだと思われるスクワット』についてお話ししていきます。
重量を扱える方法なので、効果的なトレーニングとはまた違う観点からの内容なのでそこの認識には注意が必要です。


スクワット動作の働き
スクワットは膝関節と股関節を伸展させる必要があります。
膝関節伸展で貢献するのは、大腿四頭筋です。
股関節伸展で貢献するの主な筋肉は、ハムストリングと大臀筋です。
2つの股関節伸展筋群のうち、大殿筋は単関節筋、ハムストリングは二関節筋です(大腿二頭筋短頭は除く)。
単関節筋の大殿筋が発揮した力は股関節のみに働きますが、二関節筋のハムストリングが発揮した力は股関節伸展だけでなく膝関節屈曲にも働きます。
研究内容
したがって、ハムストリングの力発揮が増えれば増えるほど、それによって生じる膝関節屈曲モーメントに対抗する膝関節伸展モーメントを発生させるために、大腿四頭筋の負担が増えることになります。
分かりやすく言えば、ハムストリングの貢献度(股関節伸展には強い)けど膝関節伸展では強さはあまり期待できないので大腿四頭筋が頑張って働かないといけないよね。と言うことです。
ハムストリングスが弱まる理由としては、こちらをご購読ください。


そこで今回の研究は、
『股関節だけに貢献する大臀筋を優位に使ってハムストリングは最低限の利用に抑える方が効率よく重量を持てるのではないか?』という研究内容です。
視点を変えると、『股関節伸展に大臀筋を優位に働かせた場合の大腿四頭筋への影響はどのような変化を及ぼすのか?』も観察することが出来ます。
【今回の参考文献】
スクワット運動中の大腿四頭筋の努力は股関節伸展筋の戦略依存https://www.researchgate.net/publication/275278734_Quadriceps_effort_during_squat_exercise_depends_on_hip_extensor_muscle_strategy
方法
50〜90% 1RM(格10%毎)でのスクワット中の股関節・膝関節・足関節モーメントを逆動力学解析によって求めました。
【逆動力学解析】
現在の状態(角度、角速度)と角加速度が与えられたときに、それに必要な関節トルクを求める計算
それとは別に、各関節周りの最大アイソメトリック筋力(MVC)を測定し、スクワット中の各関節モーメントをMVCの相対値(%)で表しました(=RME; relative muscular effort)。
そのように実測されたデータを元に計算されたRMEとは別に、コンピューター上で構築された筋骨格モデルを用いて、
2つの条件における大腿四頭筋のRMEも計算
- モデル1
大殿筋とハムストリングを同じだけ発火(activate) - モデル2
大臀筋の働きを優位状態で股関節伸展モーメントアームを作り、大臀筋で補えない分をハムストリングで補助
結果


「Knee Extensor」と示されている黒線は、実際の計測値から逆動力学解析によって計算された「膝関節伸展RME」です。
モデル1の条件下で計算した大腿四頭筋のRMEは、90% 1RMで深くしゃがんだ時に、100%を上回る。
つまり、モデル1の条件『大殿筋とハムストリングを同じだけ発火』では、
モデル2『大臀筋の働きを優位状態で股関節伸展モーメントアームを作り、大臀筋で補えない分をハムストリングで補助』では、
膝関節伸展RMEの値について、(90% 1RMでの大腿四頭筋の貢献度90°〜104°・60%)は低過ぎないか?
と思われますが、
正確には、『大腿四頭筋の貢献度ーハムストリングの貢献度の差』の値になっています。(モーメントの差)
実際はもっと大腿四頭筋の純粋な貢献度は高いでしょう。
この研究から分かること
- 重量を扱うスクワットにおいてのファクターは大臀筋と大腿四頭筋が重要である。
- スクワット股関節伸展における貢献度の優位性は単関節である『大臀筋』の発火がカギになる。
- 二関節筋であるハムストリングの優位なモーメントアームは膝関節に不利な影響をもたらし大腿四頭筋への負担を助長させる
- 高重量スクワットでは大臀筋優位で補えない分をハムストリングで補強する形が良い。
- 大臀筋の筋力不足は、ハムストリングの優位性を高め肉離れや攣るなどの傷害リスクが伴う。
やはりアスリートにとってケツ(臀筋群)を鍛えることはマストであり、ハムストリングを鍛える種目の重要性やトレーニングプログラムの見直しにも繋がる内容でした。
やっぱケツですね。
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